鶴翔同窓会のみなさまにおかれましては、日頃より本校の教育活動に対しご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
この4月より、前任の坂尾聡校長に代わり県教育庁から着任いたしました。130有余年の伝統を誇る鶴岡南高校に勤務できることはこの上ない喜びであると同時に、責任の重さに身の引き締まる思いです。精一杯務めさせていただく所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
今年度から全日制のみの高校となり、4月8日に令和6年度開校の中高一貫校の第1期生となる新入生が新しい制服で入学いたしました。また、開校に伴う校舎の改修工事を控え、仮設校舎の建設が始まっています。順調に進むと8月に引っ越しを行い、そこで学校生活を送る予定となっております。
さて、この2年間は、新型コロナウイルス感染症の感染防止に明け暮れましたが、本校における深刻な事態は回避できていました。しかしながら、感染の終息がまだ見られておりませんので、学級閉鎖や部活動の停止などの対応を迫られる状況が続いております。アフターコロナを見据えながら、学校における新しい生活様式を実践しつつ、学校行事を含めた教育活動の実施について、やれることはやっていく方針であります。
本校の近況についてご報告させていただきます。コロナ禍における進路指導は、どの学校でも苦労しておりましたが、本校のこの春の卒業生は、すばらしい進路実績を収めました。
現役で国公立大学には124名が合格し、在籍生徒数に対する割合も65%で県内でもトップクラスの成績でありました。合格状況としては、東大、京大、一橋大、東工大各1名、東北大14名、山形大医学部医学科6名、弘前大医学部医学科1名などでした。また、私立大の合格者数は延べ274名で、早稲田大、慶應大、上智大各1名をはじめとし、医学部医学科には聖マリアンナ医大、北里大に各1名となり、近年の好調の流れを引き継ぎ、素晴らしい結果を残してくれました。過年度生においても、京大、阪大各1名をはじめ、医学部医学科に9名合格などがありしました。
現役生・過年度生で医学部医学科へ18名が合格という結果は本校初めての快挙といえ、目標をもってその達成に向けた努力の結果が表れたのだと思っています。今後も、校是である「文武両道」を大事にして、生徒の育成にあたってまいりたいと考えております。
令和4年度の入学式にあたっては、昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症予防対策のため、来賓の皆様のご臨席をお断りし、参加者を制限しで体育館で執り行いました。新入生200名に対し、同窓会の皆様から励ましのお言葉をいただく機会を失ったことは、非常に残念でありました。今後も従来の教育活動が実施できない状況が続くことが十分考えられますが、教職員が一丸となって最善の方法を模索しながら取り組んでまいります。
平成24年度から文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、最先端の研究機関や大学・企業などと連携した取り組みをとおして、全生徒が文系・理系の別なく多様なテーマを探究する「鶴南ゼミ」を開講するなど、地域を見つめながら幅広い視野を持って常に新しい教育活動を実践してきました。昨年度3期目の申請を行ったところでありますが、採択に至らず、今年度はSSHの経過措置校となりました。
一部の事業を縮小いたしますが、採択に向けた準備を行うとともに、これまでの成果と課題を踏まえた事業内容の見直しや工夫を進めるとともに、SSH事業を通じて得られた経験を活かし、科学技術人材の育成や全校生徒による探究活動の取り組みは継続してまいりたいと考えております。
今年、創立134周年となる創立記念式典での講演や記念事業における数々のご支援を含め、同窓会のみなさまからの多方面にわたる本校の教育活動への援助に、重ねて感謝と御礼を申し上げますとともに、今後とも変わらぬご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。みなさまのご健勝と鶴翔同窓会の益々のご発展をご祈念申し上げ、あいさつといたします。
令和4年5月
校長 遠田 達浩